事業名称 |
東日本大震災被災地児童招待事業
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登録単会名 |
関東/静岡県/沼津YEG |
テーマ |
がんばろう日本! 東北に 届け沼津の心意気〜子供たちに夢と希望を〜
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事業内容 |
本年3月11日午後に発生した東日本大震災は、東北〜北関東を中心とした各地に甚大な被害を与えました。沼津YEGでは、日本YEG並びに関東ブロック商工会議所青年部連合会からの呼び掛けに応ずる形で、3月20日には、ひたちなか商工会議所への飲料水を中心とした支援物資の搬送、26日には石巻市釜小学校への支援物資の搬送、並びに体育館の清掃作業など、早くから被災地支援の態勢をとってきました。しかし、被災地での救援活動がひと段落した後、我々地域の商工業者の代表である者たちが被災地のために今後行っていくことは他にもあるのではないかとの思いが、メンバーの中からも上がり始めました。
ちょうどそのころ、日本各地では地域の様々な催しが、いわゆる「自粛ムード」の中、取りやめになるケースが相次ぎましたが、わが沼津市では栗原市長がいち早く今年のぬまづ夏まつり、並びに狩野川花火大会の開催を宣言し、元気な地域が経済を回していかないと、日本全体の経済が沈んでしまうとの考えを示しました。沼津夏まつりにおける狩野川花火大会は、元々、太平洋戦争で焼け野原となった沼津市において、市民の元気と希望を取り戻そうと、中心市街地商店街の有志が中心となって立ち上げた経緯があります。この花火大会に被災地の子供たちを招待し、心のケアをテーマに、少しでも夢と希望、そして元気を取り戻してもらうのはどうかという意見がメンバーの中から上がりました。
では実際に、どの被災地の児童を対象にするかという段になり、NPO法人日本沼津災害ボランティアの会(以下NVN)の皆様とともに、震災直後から岩手県大船渡市において支援活動を行っていることから、沼津YEGメンバーをボランティア活動に同行させ、大船渡市議の渕上清先生に仲介をお願いし、大船渡市教育委員会へと本事業の概略説明をしたのが4月の下旬でした。また選定に関しては静岡県が震災後いち早く岩手県遠野市に現地災害支援調整本部を置き、当初、大船渡・釜石・大槌・山田の2市2町を対象にボランティア等の活動の拠点としたこと、水産等の産業でも民間レベルの交流が活発なことから、大船渡市を対象地と決定しました。その後、5月の下旬に大船渡市側からの回答として、小学6年生児童の修学旅行の代替としての旅行としてお願いできないかということで、本事業への御理解をいただいたため、沼津YEGより沼津夏まつり実行委員会に働きかけ、沼津夏まつり実行委員会より本事業の計画立案並びに実行部隊として沼津商工会議所青年部にその任が託されました。
大船渡市側へは、大切なお子様を本事業に安心して送り出して頂くよう御理解を得るため、事前の打ち合わせを計3回、沼津から担当者が直接大船渡へ出向く形で行ってきました。また、急遽決まった事業であることから、夏まつり実行委員会が沼津市民の皆様へ本事業に対する協賛金を募り、なおかつ静岡県にも働きかけを行い、事業費の一部を補助対象として頂くことも出来ました。6月に入ると、週に2〜3回のペースで各担当イベント毎の協議・準備を重ね、いよいよ7月30日に、先発隊が沼津を出発し、翌31日には各小学校からバスが出発し、一路沼津の地を目指す運びとなりました。
初日は大船渡を出た後、午後には国会議事堂(参議院)の見学、夜はブケ東海沼津においてウェルカム夕食会、二日目は富士通沼津工場でのスーパーコンピューターの見学やパソコン・携帯電話の分解組立体験、午後は沼津市少年自然の家でのオリエンテーリング等各種体験、万葉の湯沼津での入浴後にホテル沼津キャッスルにてホテルディナー体験、その後に本事業のメーンとなる狩野川花火大会の桟敷席での観覧。三日目は富士山御殿場口(通称 太郎坊)への見学体験の後、大船渡を目指し帰路に付きました。全行程をバス移動とし、全ての行程に沼津YEGのメンバーが随行しました。帰路でのバスの中で具合の悪くなる生徒が何名か出たものの、全行程において無事終了、翌2日に随行メンバーが帰沼し、全事業を終える事が出来ました。
また、バスでの移動が多かったため、高速道路上での食事や軽食等の手配を、大船渡YEG、北上YEG、宇都宮YEG、海老名YEGの皆様に御協力頂きました。
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効果・成果 |
大船渡市内には、東日本大震災の復旧すらままならない場所も多々ありますが、本事業中の様々なイベントにおいて、子供たちの弾けんばかりの笑顔が見られたのは大きな成果だったように思えます。また、引率の先生方にも、我々のおもてなしに関して感謝の御言葉をいただきました。大船渡と沼津の間に目には見えなくとも大変太い絆が築けたのではないかと思います。また、沼津市内においても、児童・生徒などが率先して協賛金集めをするなど、学校では教わらない社会教育に結びついたこと、多くの市民に我われの心意気が届き、過分な浄財をいただけたことなど数えきれないほどであると思います。何より大船渡に沼津の名前を知ってもらい、事業を通して新たなYEGネットワークができたこと、そして市民には商工会議所青年部の周知に繋がり、真のYEGブランドの構築が出来たことです。
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連携単会名 |
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協力団体・企業 |
沼津夏まつり実行委員会(沼津市、沼津商工会議所、沼津市自治会連合会、沼津観光協会、沼津市商店街連盟)、静岡県、沼津商工会議所女性会、沼津市教職員組合、富士通沼津工場、沼津魚仲買商協同組合、日本沼津災害ボランティアの会、沼津市内各学校・PTA、沼津市内及び周辺自治体の各事業所・団体、連合静岡、三島商工会議所、沼津市民の皆様など
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開催場所 |
国会議事堂(参議院)、ブケ東海沼津、富士通沼津工場、沼津市少年自然の家、万葉の湯沼津、ホテル沼津キャッスル、狩野川花火大会河川敷観覧席、富士山御殿場口、富士フォーラム、ニューウェルサンピア沼津
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開催期間 |
2011/7/30 - 2011/8/1 |
事業運営人数 |
50人
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関連事業継続回数 |
1回
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事業目的・目標 |
東日本大震災において甚大な被害を受けた被災地の方々の心のケアをテーマに、特に子供たちに、少しでも笑顔を取り戻してもらうことを事業目的として掲げました。また、大切なお子様を3日間にわたり遠隔地へ預けることとなる親御さんや、引率教諭の皆様のお気持ちを考慮し、全行程で沼津YEGメンバーが同行。不特定多数の人間と交わる場所での誘導等は人員を増強したり、また全行程をツイッターで発信する等、可能な限り細かいところまで気を配ったおもてなしをする事を目標としました。その他にも、修学旅行の代替行事であるという事で、国会議事堂や富士通沼津工場の見学といったアカデミックなものを取り入れる一方、被災地では仮設住宅の建設等もあり、子供たちにとっては満足な遊び場すらなかなかないといった事実を鑑み、思い切り体を動かせる体験も取り入れ、子供たちがこの旅を十二分に満喫してもらうよう心がけました。
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特徴・特色 |
本事業の主催は沼津夏まつり実行委員会ですが、事業費は沼津夏まつり実行委員会が沼津市民・企業・団体等広く一般の方々からの協賛金及び、一部は静岡県からの補助金によってまかなわれました。そして、実際に事業の計画、立案、及び実務を取り仕切ったのが沼津商工会議所青年部であり、市内各団体からも御協力を得たことから、本事業は「オール沼津」の態勢で行われたものであるというのが特色です。また、協賛金に関しては、本事業を遂行するために必要な額の2倍超(約1,500万円)が集まってしまい、剰余金の使途については今後の検討課題とするところです。
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将来像・夢 |
今回の旅行を経験した大船渡市の6年生児童が、将来の大船渡を背負って立つ、立派な大人になってくれることを願います。また、2011年は彼らにとって大変辛い思いをしたという事実は消されなくとも、夏休みに沼津で観た花火他沢山の思い出が心の中に残ってくれることを願ってやみません。こうしたことから、いつの日かまた沼津遊びに来てくれればと思っております。また、行政・教育委員会・商工会議所など各々のステージでの交流が今後も続けられ、両市の発展に繋がっていくことを望んでいます。なお、沼津市は来るべき東海地震において最も津波の被害が予想されている都市であるとの認識より、今回津波による甚大な被害を受けた大船渡市側から防災(特に津波)面で何らかの形で教えを請う事が出来れば、沼津市にとっても大変有意義だと考えます。
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関連HP |
沼津YEGホームページ
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